転職希望者数は年々増加傾向にあるようですが、現職で働きながらの転職活動は難しい
とあきらめている人も多いようです。そんな人に向いているのが転職アプリ。今回は利用者が増え続けている転職アプリの現状と自分に適したアプリの選び方、おすすめの転職アプリについて紹介します。
転職活動は難しい?
少し前までの転職活動と言えば、求人情報誌や求人情報サイトで自分の希望にあう企業や事業所を探す、人脈やコネを使うなどといったことが多く、転職活動中であることを現職の同僚や上司に知られたくない人にとってはハードルが高いものだったのではないでしょうか。
また転職希望先の企業の情報を知りたくても、企業が自社のホームページ等で発信している以上の情報、例えば基本収入以外の諸手当や福利厚生、残業・出張・転勤の有無など、そこで働きたいからこそ知りたい企業の実状についての情報を得ることはなかなか困難なことでしょう。
同業種間であっても異業種間であっても、転職するということは現職で築いてきた立場や人間関係をリセットするということで、新卒者としての就職活動時よりも慎重に情報を集めて、社会人として、職業人として現状よりもランクアップしたいところです。
現職の業務の合間に、あまり他人に知られずに、現在よりも良い条件で転職したい、そんな方にはスマホで簡単にアクセスして、すきま時間でも豊富な情報を閲覧できる転職アプリをおすすめします。
転職アプリの現状
転職エージェントや転職情報を発信しているサイト運営会社がリリースしている転職アプリの最大の長所は、場所や時間を問わず、転職に関する様々な情報やコンテンツを気軽に閲覧できることです。
転職希望者の増加傾向に伴い、転職アプリの数も増え、転職サイト業界の競争は激化しています。自社にマッチングした人材を効率的に雇用できるというメリットから、経費が発生してでもアプリへの登録を希望する企業や事務所も増え続けているようです。
転職サイト業界の競争の激化に従って、アプリ運営会社はそれぞれの独自性を打ち出すためにアプリ利用者や登録者の希望や意見に対応する形でコンテンツ内容の充実をはかり続けています。そんな進化し続けるアプリの機能の中から、代表的なものを3つ紹介しましょう。

①自身の希望条件を満たす転職先を検索する機能
職種、給与、勤務場所、勤務時間帯など雇用条件を入力することでその条件にマッチする企業や事業所を検索できる機能です。詳細な条件を設定するほど自分の意にかなった企業や事業所に出会うことができます。
➁自身の能力が評価されるスカウト機能
自身が前職や現職で培ってきたスキルや資格を登録することによって、その能力を求めている企業や事業所とマッチングができる機能です。特に希望の職種がない場合でも自分の能力がどのような評価をされるのかを知ることができます。
③転職をサポートする機能
転職希望先に在籍している人の口コミなど、企業や事業所の公式サイトでは発信されないリアルな情報を紹介する機能です。さらには履歴書の書き方や面接の受け方など、転職活動自体に役立つ具体的な情報も発信されています。
転職アプリの選び方
転職アプリの種類やアプリで提供されるコンテンツが増えて便利になるのは転職者にとって嬉しいことですが、種類やコンテンツが多すぎて、どの転職アプリが自分の転職活動に適しているのか、また転職アプリの効果的な使い方が分からなくなってしまっている方もいるでしょう。どんなに便利なアプリでも選び方や使い方を間違えると、利用する意味がありません。
まずは、なぜ自分が転職したいのか、どのようなことを転職先に求めるのかを明確にしてください。それが明確になれば、数多くある転職アプリの中から適切なアプリを選択することができ、賢く利用することもできます。
転職アプリ選択時に着目すべき点その① 求人件数
転職アプリを選択する際に一番着目するべきことは、そのアプリに登録されている求人件数の多さです。企業や事業所が求人情報をアプリに登録するには費用が発生します。アプリに登録する企業や事業所が多いということは、企業や事業所がアプリに対する費用対効果を認めているということであり、アプリ運営会社の信用度は高いということにつながるでしょう。
もちろん求人件数が多ければ多いほど自分の意に沿った転職先とマッチングできる可能性は高くなります。転職を成功させる秘訣の一つは転職先の選択肢の多さです。自分の希望条件をできるだけ具体化し、それにマッチする企業や事業所を見つけてください。
転職アプリ選択時に着目すべき点その➁ スカウト機能の有無
転職アプリで採用されることが増えてきたスカウト機能についても着目しましょう。旧来の転職サイトから大きく進化したのはこのスカウト機能ではないでしょうか。スカウト機能を活用すると単に自分に適した転職先を見つけることができるだけでなく、自分が培ってきたスキルや得た資格への客観的な評価を認識することができます。
スカウト機能に登録したスキルや資格が、企業や事業所が求めるスキルや資格とマッチすると、その企業や事業所の情報をメール等でお知らせしてくれる他、アプリによってはマッチした企業や事業所と直接やり取りできるような機能もあり、迅速な就職活動を可能にしてくれます。スカウトに関しては、『転職でスカウトを上手く活用する方法』で解説していますので、こちらもチェックしてみてください。
資格やスキルによっては自分でも予想していない職種へマッチングすることもあり、異業種への転職を希望する人にとってもかなり役に立つ機能です。転職が難しいと言われる40代50代の方も長い職歴の中で得た資格やスキルを活かしやすくなるので、積極的に登録することをおすすめします。
転職アプリ選択時に着目すべき点その③ コミュニケーションツールの充実
新卒者の就職活動と違って転職活動を周囲に知られたくないという人は多いようです。そのような人にとって転職アプリのチャット機能はかなり役に立つツールになります。転職アプリのチャット機能はLINEなどのコミュニケーションツールと同じような感覚で気軽に利用でき、チャットによる“会話”を重ねることで、メールよりも自分の聞きたいことに沿った回答を得ることも可能です。
例えば現職の昼休み時間にスマホで転職アプリのチャット機能を使っていても周囲の人に転職活動のためのチャットだとは気づかれにくいでしょう。現職の業務のすきま時間などに場所を選ばずに転職活動ができれば、それだけ転職のチャンスは増えます。
チャット機能以外にも、転職に関する様々な情報についてのメルマガ配信や、希望する転職先の人事採用スケジュールの通知など、アプリだからこそ身近にいつでも利用できるコミュニケーションツールを大いに活用しましょう。
おすすめの転職アプリ 3選
上記の転職アプリを選択する際の着目点をクリアしている転職アプリを3つ紹介します。どのアプリも信頼性が高く、人気も高いものですが、その特長は少しずつ異なります。ほとんどのアプリストアで検索したらすぐに見つかる有名アプリばかりですので、自分にあった転職アプリを見つけてください。
①リクナビNEXT
古くから就職にまつわる様々な事業を展開し、就職業界でも最大手である株式会社リクルートがリリースしているアプリです。登録している転職希望者の数は900万人を超え、5,000件に近い求人数は国内最大級を誇ります。転職条件がはっきりしている方や転職先候補を多く見つけたい方はこのアプリ1択になるかもしれません。
➁マイナビ転職
就職活動の中でも転職に特化したサービスを提供しているマイナビが運営しているアプリです。マイナビは毎年転職動向調査を行っていることでも有名で、社会情勢の動向に沿った転職情報の提供に優れています。未経験者歓迎の求人など、どちらかと言えば20代30代の若年層の利用率が高いアプリではないでしょうか。
③ビズリーチ
株式会社ビズリーチが提供しているアプリ、ビズリーチは多くの優良企業がヘッドハンティングの場として利用していて、40代50代の管理職経験者が転職を考える際などに活用してほしいアプリです。スカウト機能に独自のAIを使用するなど、キャリアアップを目指す人に有効なツールが充実しています。
まとめ
転職を考えるにあたって、情報収集や自分のスキルを磨くことは非常に重要ですが、自分が満足する転職ができるかどうかは自分の努力とはまた別次元の“縁”や“タイミング”に大きく左右されることも事実です。その縁をつないでくれるのが転職アプリであり、転職アプリから得られる様々な情報は転職活動のタイミングを逃さないための武器になると考えてよいでしょう。
転職活動はキャリアアップや収入向上を手に入れるだけでなく、自分自身のライフプランを見直すきっかけにもなります。転職アプリを上手に活用して、自分の現状に即した転職活動を行い、これからの人生を充実させてくれるような職場や職務にマッチングしてください。