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選考時に重視される平均の転職回数と必ずやっておきたい大切な準備と対応策

転職回数 平均

実は転職回数の平均と選考時の影響は年代ごとに異なります。そこで企業側が選考時に気にする回数と何を重要視しているのかを把握し、転職経験が豊富な人が成功するためにやっておきたい事前準備と注意点、対応策を紹介します。複数の職場経験を持つ人は、これまでの経験が選考時に不利にならないようしっかり準備を整えましょう。

目次

転職回数の平均

経験率と平均値

アンケート調査(全国20代~50代)によると、約65%の人が転職や転職活動の経験があることが分かりました。アンケート結果でもわかるように、近年では転職自体はとても一般的な活動になってきており、キャリア・アップを目指す人や、生活環境に合わせた職場を求める人が増えています。

(出典:https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/12841/「リクナビNEXT」より)

厚生労働省が2020年に行った調査結果にもとづくと、総合的な平均回数は約2.9回となっています。3回程度であれば一般的にあり得る回数といえるようになってきました。

回 数割合(%)
1回27.7
2回18.9
3回19.5
4回13.1
5回7.1
6回以上13.4
不明0.3

(出典:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E8%BB%A2%E8%81%B7%E5%9B%9E%E6%95%B0&layout=dataset&stat_infid=000032186726厚生労働省「雇用の構造に関する実態調査 / 転職者実態調査 / 令和2年 報告書 統計表 個人調査」より)

複数回の職場経験者であれば、自身の転職回数が選考の時にどれくらい影響するのか、そして、企業側は何度目から多いと感じるのかが気になるところです。それでは、年代別の平均値はいったいどのくらいなのでしょうか?

年代別にみる平均回数は?

厚生労働省の調査によると、年齢を重ねるごとに複数の職場を経験する割合と回数が増えていくことがわかります。20代と比べ40代や50代では約2倍の差があることがわかります。一定の経験を積むうちに、さらなる成長やより良い環境を望むことは、ビジネスパーソンであれば当然のことといえるでしょう。

年代回数
20代約1.7回
30代約2.9回
40代約3.7回
50代約3.6回

(出典:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=%E8%BB%A2%E8%81%B7%E5%9B%9E%E6%95%B0&layout=dataset&stat_infid=000032186726厚生労働省「雇用の構造に関する実態調査 / 転職者実態調査 / 令和2年 報告書 統計表 個人調査」より)

転職回数と選考への影響は?

企業側が多いと感じる回数は?

各年代での回数は大きく異なっているのがわかりました。それでは企業側は採用する場合の選考時にどのような観点でこれまでの経験をとらえているのでしょうか?いったい何回目からを多いと感じるか、アンケートの結果によると3回が一番多く、40%が気にかかると回答しています。

回 数割合(%)
1回2
2回8
3回40
4回16
5回12
6回以上
気にならない15

(出典:https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/archives/5883/#i-2「リクナビNEXT」より)

また、年代別にみてみると20代は2回以上、30代は3回以上、40代は4回以上で気にかかるという回答となっています。ある程度の年齢を重ねている人材であれば、仕事をしていくうえでポジションの変化と研鑽を積むために、環境を変える可能性は高くなると考えられるのです。

年代ごとの影響

回数が多いと感じられるということは、言いかえると、頻繁に職場を変えているという印象を持たれやすいということです。その場合に企業側が懸念事項として掲げるのは「すぐに離職してしまう可能性」や「個人的な問題を抱えている可能性」などです。

たとえ優秀な人材であっても、職場に定着せずにすぐに離職してしまうのでは、企業側も採用しづらくなってしまいます。そして、この点を企業側が重要視するのは、年代ごとでも異なっているのです。

20代のケース

学校を卒業し、新入社員として企業で働き始めてからの年数が短いこということは、社会人としての経験が浅いと考えられます。このようなケースの場合、1社での勤務年数のほか、辞め癖がついていないか、3年以上の勤務年数があるかなどを重視して確認しています。

一方で、30代以上になってくると、一定以上の業務を経験している優秀な人材を獲得できるチャンスにつながることから、これまでに経験している職場の数よりも、勤務年数や実際に経験してきた職務の内容を重視して確認する企業が多くなります。

30代のケース

これまでに実際に経験してきた仕事の内容や、参加したプロジェクトなどを重視することが多く、むしろ2~3回程度は許容の範囲内と考えていることが多いようです。

30代に入ってくると新人および後輩の指導はもちろんのこと、規模によりますがプロジェクトのリーダーを経験している人材が多くなります。また、最近ではプライベートな生活環境の変化に伴う、職場の変更を考慮すると考えている企業が増えてきています。

40代・50代のケース

選考時にこれまでの職場の数は重要視しない企業が多く、それよりもこれまでに行ってきた業務内容やリーダーシップ、実際の業務スキルを重視する企業が多いようです。しかし、管理職としての採用が多くなることからもすぐに辞められては困るため、この会社に定着してくれる人材であるか、慎重に見極める企業も多いです。

企業側のチェックポイント

選考時に企業側が重点的に確認している項目は次の通りです。

  • 短期間での転職を繰り返していないか
  • 在籍期間は3年以上あるか
  • 成長意欲はあるか
  • これまでに習得したもの、どのような成長があったか
  • 年齢と経験やスキルがみあっているか
  • 業務に対するビジョンを明確に持っているか

転職が多い場合の対応策とは

もしかしたらこれまでに経験した職場の数が多いのではないかと感じて心配している場合でも、企業側が選考時に重要視するのは、実はそれだけではありません。企業側が納得することのできる理由があるのであれば、むしろ、即戦力として採用につながる対応策はいくつかあります。

成長意欲の高さをアピールする

仕事をするうえで明確に将来の理想像(ビジョン)を持っており、より成長できる職場にかえることで、理想の将来に近づいていることを伝えます。明確なビジョンを持っていることを示すことで、企業側にとって役に立つ人材であると判断してもらえます。

ただし、自分のスキルアップのためだけの転職と受け取られてしまうと、またすぐに離職するのではないかと受け取られてしまい、採用につながりづらいので注意が必要です。長く働けることを申し添えることも重要です。

一貫性のあるキャリアをアピールする

これまでに培ってきた経験とスキルや、保有している資格を活かして働くことで一貫性をアピールすることができます。これまでの業務経験に一貫性がある人材は、企業にとっては即戦力として働いてもらえるため、採用される可能性が高くなります。

また、業務経験や資格などではなくても、これまでに仕事をするうえで大切にしてきたことや、心掛けてきたことなどに一貫性を感じてもらうことで、信頼のできる必要な人材であると判断してもらえます。

ポジティブな印象をあたえる伝え方を心掛ける

前職での人間関係に起因することがらや給与・賞与に関することなどの、ネガティブに受け取られる可能性のある理由は、当然、企業側に好ましくない印象を与えてしまいます。

このような内容を伝える場合は、隠すことや嘘になってはいけませんが、ポジティブに受け取ってもらえるよう、可能な限り言い換えて伝えることができれば前向きな理由であると受け取ってもらえます。

転職回数が多い場合の準備

注意が必要なこと

当然のことですが、決して転職回数や経歴をごまかしてはいけません。事前準備として、これまでに経験した職場の数が複数となった原因を明確にし、どのように向き合って対処したか、自分自身で明確化することが重要です。この作業を行うことで、自分の強みと市場価値を明確にすることができ、決して安易な転職ではないことを示すことができます。

目標・目的を明確にしたうえで、どのように対策をとるべきか向き合うことで、長く働けると感じられる企業に従事できる可能性が高くなります。自分が重視する条件を見極め、優先順位をつけて新しい職場を見つけること、そして、企業の評価軸を確認し、職場の雰囲気などの情報もチェックすることも重要です。

職務経歴書

これまでの職場名と業務内容、そこでの経験から会得したことや成長できたことを明確かつ具体的に記載し、企業側に求められている経験とスキルがマッチしていることを強調して記載します。

同じ職種で転職を希望している場合は、その業務に精通しているからこそ持ち合わせている具体的なスキルと、プロとしての意欲を伝えます。同じ職種を一貫して続けることはとても強みとなり、これまでにあげてきた成果があれば、具体的な内容を記載することでより好感を得られます。

一方で、違う業種や職種に転職を希望している場合は、さまざまな業務を経験したことで得ることのできた経験とスキル、多角的な視点と広い視野を持ち合わせていることで成長できたことをアピールします。一貫して高めてきたスキルや考え方を具体的に記載し、不必要な誤解をされないようにすることが重要です。

面接

面接で伝えることは「前向きであること」「仕事に対する一貫性」「意欲的な姿勢」の3つです。転職について問われた場合は、ごまかしたり取り繕ったりせずに、率直に失敗から学んだことなどを伝えることも好感につながります。他人や環境に責任転嫁せずに、反省から学び成長する姿を見せることができれば、必要以上にネガティブな印象は与えずにすみます。

まとめ

昨今では半数以上の人が転職を経験している時代となり、そのこと自体はとても一般的な活動であると認識されています。平均は約3回ですが、企業が重視するのは回数よりも在職期間やこれまでの経験やスキル、将来のビジョンです。

成長意欲の高さやキャリアの一貫性をアピールすることが重要です。自分が重要視していることや理想の実現につながる職場が見つかるまで、焦らずに探し続けることが重要になっています。ぜひ今回紹介した内容を参考にしてみてください。『転職するにはどうすればいい?転職活動の流れを解説!』では、全体的な転職活動の流れを解説しておりますので、こちらも併せてチェックしてみてください。

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著者

転職エージェント会社の代表。金融機関で約10年勤務(日本、ヨーロッパ、アジア)の後に起業。得意なターゲット層は20代〜40代の証券、銀行、M&A仲介、マーケターが得意分野。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。宅建士。

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