転職を繰り返していると「新しい会社で採用する時に不利になるのではないか」と不安になるかもしれません。
結論からいいますと、残念ながら一般的には転職回数の多さは不利な傾向にあります。何度も退職していると、それだけ新しい職場でもすぐに辞めてしまうかもしれないと思われてしまうからです。
しかし最近では転職することで経験値を高めたいという人も増えてきているため、転職回数が多いというだけの理由で、採用をやめてしまうという会社は少なくなっています。それで例え転職回数が多くても、いくつかのポイントを知っておくとあなたの転職回数が面接時に不利ではなく有利に感じさせることができます。
この記事では転職回数が多いと感じている人に向けて、次のような点についてわかりやすく解説します。
- 転職回数が多いとみなされるのは何回からか
- 転職回数の多さという不利な点を有利な点に変える方法
- 転職回数が多い人の自己アピール方法
この記事を最後まで読めば、転職回数がすでに多くても自信を持って面接できるようになりますので、結果採用されやすくなります。ぜひ最後までお読みください。
転職回数が多いとみなされるのは何回?
「転職回数が多い」と判断されるのは何回までかは職種や年代などによって異なります。
一般的に20代は2〜3回以上、30代は3〜4回以上、40代は4回以上すると「転職回数が多い」とみなされる傾向にあります。一方で転職回数は不利にならないと考えている企業も多く、特に転職希望者の年齢が上がるにつれて、回数は採用する際の選考に影響しないと考える傾向が強くなっています。
ただし同じ転職の回数でも同じ職場で3年以上続いていればそれほど不利にならない反面、1年以内、特に半年以内の転職が続いているとマイナスポイントになる場合も少なくありません。
新しい職場に転職するときは自分の転職回数と、それぞれの職場でどれだけ働いたかをきちんと把握しておきましょう。
転職回数とは 転職回数は在籍した職場の数から1を引いた数で、パート・アルバイトはカウントされません。 |

大事なのは退職した理由を説明できるかどうか
退職した理由を自分の言葉できちんと説明できるようにしていれば、自社との相性がわかります。また応募者が転職後にすぐに辞めないで活躍してくれるかどうかがわかります。
退職した理由を説明するときは次のようなポイントを思いに留めておきましょう。
- 嘘はつかない方がいいが、必ずしも全てを伝えなければならないわけではない
- 不満があったなら抽象的な表現を避け、状況を具体的に説明する
- できるだけ「スキルを上げたい」など前向き内容にする
- 理由に一貫性を保たせる
- 親の病気などのやむをえない状況がある場合ははっきりと伝える
このように退職した理由をはっきりと説明して、あなたが転職する必要があったことを面接官に納得してもらうことが大切です。
転職回数が多いことの弱みを目立たなくして強みを最大限に活用する方法
転職回数が多いということには次のように、ネガティブな印象もありますが、ポジティブな印象もあります。
ネガティブな印象 | ポジティブな印象 |
忍耐力がない協調性がない一つの職種に対して経験が短い | 向上心がある適応能力がある幅広い経験がある |
それで面接をするときに、できるだけ転職理由のネガティブな印象ではなくポジティブな印象を際立たせる必要があります。それぞれの点についてどのようにポジティブな印象を持たせることができるか、詳しく解説します。
忍耐力がないのではなく向上心がある
「我慢できなくてすぐ辞めてしまう人」ではなく、「向上心があって新しい仕事に挑戦したい人」という印象を持ってもらうようにしておきましょう。
面接官はあなたが自社を長く続けてくれるかどうかを注目していますので、「この会社は向上心を満たすことができるので長く続けたい」という意欲を示すことができます。
「自分には向上心ががある」と言葉で説明するだけではあまり説得力がないので、面接官に向上心があると思ってもらえるような理由を説明することが大切です。
例えば次のように説明できるかもしれません。
- 私の長所は◯◯である。なぜなら〜。
- 私には◯◯という目標がありそのために必要なのは〜である
- 貴社の社風には◯◯があるので、私の目標を達成できると思った
- 私のこの◯◯長所を活かして貴社に貢献したい
このように説明すれば、単に「私には向上心があります」というよりも説得力があります。また退職した理由も忍耐力がなかったからというわけではないことを間接的に理解してもらえます。
協調性がないのではなく適応能力がある
人間関係の問題で退職したと思われると新しい職場でも馴染めずにうまくいかないと思われてしまいます。それでむしろ転職を繰り返してもその度に職場環境に馴染めていることをアピールしましょう。
実際にすぐに職場に馴染んでいたならそのことを含めることもできますが、次のように適応能力をアピールすることもできます。
- 子供の頃父が転勤族で学校を何度も変わったので、新しい学校ですぐに友達を作る技術を学んだ
- 学生時代部活でたくさんの人と交流し、仲良くなるコツを学んだ
- コミニュケーションスキルが高く、人とすぐに仲良くなれる
上司とウマが合わなかったというような人間関係について消極的な点はできるだけ避け、積極的な面をアピールしましょう。
一つの職種の経験が短いが幅広い経験がある
単純に転職回数が多いだけだと、「一つの職種の経験が短い」と判断されてマイナスになってしまいます。しかし「今までの経験を自社に活かすことできる」と判断されればプラスになります。
それで面接をする時には、次のような点をはっきりと伝えましょう。
- 今までどんな仕事をしてどんな経験をしたか
- その仕事と新しい仕事にどんな関連性があるか
- 経験をどのように活かせることができるか
このような説明がはっきりできれば、転職回数の不利な点よりも有利な点が際立ちます。
【転職が多い人向け】採用されやすくなる自己PR
面接の時に自己紹介や自己PRをする機会があるなら、次のような点を意識しておきましょう。
- 転職回数が多い理由
- 過去の経験のアピール
- 新しい職場でどのように活かしたいか
- 新しい職場を長く続けたいこと
それぞれの点を、なぜ大切でどのように説明するかを詳しく解説します。
転職回数が多い理由を説明できるようにしておく
転職回数が多いなら面接官はその理由を知りたいと思うはずなので、聞かれたら流ちょうに答えられるようにあらかじめ準備しておきましょう。同じ答えでもはきはきと説明するか、戸惑って説明するかで印象は大きく変わるからです。
転職回数を聞かれたら回数を正確に報告し、それぞれの転職理由をできるだけポジティブな理由になるように説明しましょう。『選考時に重視される平均の転職回数と必ずやっておきたい大切な準備と対応策』では、転職が多い方向けの対策を解説していますので、こちらもチェックしてみてください。
過去の経験を数値化する
過去の職場で学んだことや実績があれば、それをできるだけ数値化して説明しましょう。具体的な数字を入れ込むことで説得力が急激に高まり、今までに何を学んでどんな実績があるかをイメージしやすくなるからです。数値化できる実績には次のようなものがあります。
- 売上額
- 達成率
- 順位
- 目標額に対する対比
数字は正確であればあるほど説得力が増しますので、「100万くらい」など適当な数字ではなく「101万5千」などより具体的な数にするのがポイントです。
過去の仕事の経験を新しい職場でどのように活かしたいか
過去の仕事で学んだことと、応募先の企業の目的を理解しておくことで「今までの転職が無駄ではなく自社に役立つ」と面接官に思わせることができます。そこで次のような点をあらかじめ調査してまとめておきましょう。
- 応募先の企業がどんな方向性なのかをしっかりと理解しておく
- 今までの職場で何を学んだかを明確にしておく
- 今までの経験と企業の方向性がどのように役立つかを説明できるようにする
新しい職場を長く続けたいという意気込み
転職回数が多い人は、今回の転職が最後であると思えるように応募先の企業で長く働きたいという意気込みを知らせることができます。
繰り返しになりますが転職回数が多い人を採用する上で最も気になるのは、今の職場でどれほど長く働いてくれるかだからです。
自分がいかにこの会社で長く働きたいかを理解してもらうためには、次のような点を説明できるようにしておきましょう。
- この会社は今までの職場でできなかったことができる
- この会社は今までのスキルや経験が活かせることを確信している
- この会社の理念が自分の方向性と合致している
まとめ
今回は転職回数の多さの影響について解説しましたがいかがだったでしょうか。転職回数の多さが不利になるか有利になるかは、どのように面接でアピールするかにかかっています。この記事を参考にして面接官に「長く続ける」ことや「今までの経験が役立つ」と思ってもらえるようにしましょう。