採用面接は転職を決意したなら避けて通ることができません。転職を決意した理由は、担当者から必ずといっていいほど、問われます。けれど、ポジティブな理由だけで転職するとは限りません。また、キャリアアップの目的や、ワークライフバランス改善など、転職には様々な事情があるでしょう。
「理由ってどう答えるのが正解….?」
「転職のきっかけは転勤が嫌だったから。ネガティブに捉えられないかな…。」
「健康上の問題があって…。」など、様々な不安を抱える方は多いと思います。
本記事では、担当者が納得できるポジティブアンサーを紹介します!
1.なぜ担当者は転職理由を問うのか?
転職理由をなぜ担当者は必ず問うのでしょうか?転職理由を問う答えは、一言でいうと「就職に対する価値観」を知りたいから!転職を決心した要因を聞く事で、働くことに対する考え方や重視する点が見えてきます。その上で価値観が会社の風土とマッチしているのかを担当者は見ています。
実は、企業は価値観が合わなくて再び転職してしまうのではないかといったリスクを懸念しているのです。会社の規模によっても異なりますが、採用活動では年間平均で約700万円という莫大なコストがかかるとも言われています。
採用した人がすぐに辞めてしまっては困るため、企業としてはなるべく長く働いてもらいたいというのが本音です。
面接においてはそういった相手の質問の意図を理解しておくことで、意図に沿ったアンサーをすることができ、自分のペースで進めやすくなります。これより、転職理由の伝え方のポイントを見ていきましょう!
2.転職理由を伝えるポイント、回答例文
実際に自分のポジティブアンサーを作る上での要点を解説していきましょう。
偽りの転職理由は避ける
転職を決めた理由を問われた際、偽りの回答をするのは絶対にダメ。偽りをつくと、後で辻褄が合わなくなることがあります。偽りはバレやすいので、バレたときどうにも弁解することができなくなり、立場が悪化します。そうなった場合、印象が非常に悪くなります。
ポジティブな転職理由にしたいがために偽りを言ってしまうのは、かえってマイナスになってしまいます。正直にすべてを伝えろとは言いませんが、嘘偽りはさけたほうが無難です。
「いわない」を前もって決めておく
面接において転職理由を問われた際、正直に全ての理由を言えばプラスになるわけではありません。「面白くない業務内容だった…。」「上司が嫌な人だった…。」「給料が安すぎた…。」「性格の悪い同僚がいる…。」などのマイナス点はわざわざ触れずともいいのです。
記述したような不服を面接時に言ってしまうと、イメージダウンにもつながりかねません。同じような不服をうちの会社でも言うのではと疑われてしまいます。そのようなつもりはなくても、不服や愚痴を話すことで印象が悪くなります。
理想の目標を掲げる
転職理由をポジティブなものにする方法の一つが「理想の目標」を掲げることです。「ITエンジニアになって、ステップアップするために御社を希望しました!」。などと回答すれば、今後のポジティブな目標を示したことになり、印象も良くなります。
もしくは、「家族を養うためにより頑張れる環境を求めて、転職を決心しました!」なども素晴らしいアンサー方法となります。要は、担当者からの評価が上がるように高い理想を掲げ、それに向かって前進していくというイメージを作り出すことが大事です。
明るく前向きなアンサーをする
面接の際は、明るく前向きなアンサーをするのが重要です。転職理由が後ろ向きなものであったとしても、暗い表情を見せたり顔を顰めたり自信なげな態度で応答したりするのはNG。面接時には、その人の様子や仕草も見られる為です。
後ろ向きな理由をあえて回答する必要はないですが、少しでも話題がそのような方向に行きそうな場合でも、表情だけは明るく保ちましょう。いかにも不服や愚痴を話しているという感じになると、イメージが非常に悪くなります。
回答例文
転職理由をポジティブアンサーにするコツを紹介しましたが、実際に質問されたらどのように応答すればよいのでしょうか?そこで、回答例文を示します。
<給料が低すぎて転職を決意した例>
給料が低すぎて転職を決意した場合は、それをそのまま言うのはNG。少し伝え方を変えなければいけません。例えば、御社で提示された給料分の頑張りを見せますと、意思表明してみるのも一つの方法です。
「これまでも不満なく過ごしてまいりましたが、妻と子供2人、親の世話などにお金がかかるようになり、状況が厳しくなってきました…。そこでさらなる飛躍をと、御社を志望いたしました。給料はよいとは聞いていたため、その給料に見合う活躍をする所存です。」
ネガティブアンサーには陥らず、ポジティブアンサーになっています。前半部分はややマイナスの話になってしまいますが、これくらいなら問題なし。後半部分では、会社に対する熱意をうまく伝えています。
<勤務時間に対する不満から転職を決意した例>
前職の勤務時間に対する不満から転職を決意した場合の回答例文を示しましょう。ここでも、ただ不満や愚痴を述べるのはいけません。不満や愚痴にならないように工夫してみてください。例えば、こんなアンサー例があります。
「以前の勤務は朝8:00〜深夜12:00でした。体力的に正直厳しく、もう少し働きやすい環境を求めて、御社を選びました。御社にも残業はあると聞いていますが、一定の時間内と伺っています。これなら私でも対応できます!」
勤務時間が厳しいとは述べていますが、このくらいのアンサーなら、評価を下げることもありません。
<人間関係の煩わしさが面倒で転職を決意した例>
人間関係の煩わしさが面倒で転職を決意するということはよくありますが、これをどう理由として加えるかは難しいところ。ただ、「上司とそりが合わなかった…。」「意地の悪い同僚がいた…。」などとするわけにはいきません。もう少し考えたアンサーを用意しましょう。
「以前の職場では仕事には満足しておりましたが、さらに責任ある立場に就きたいと考えた結果、転職を決意しました。御社では重要職を任されると伺っているので、期待しております。」
とてもポジティブなアンサー例です。前職の人間関係の煩わしさについてはみじんも触れていません。このアンサーなら印象も良くなるでしょう。
<役職が上がらないことがいやで転職を決意した例>
役職が上がらないことがいやで転職を決意することもありますが、これも素直に伝えるのは避けるべきです。次のようなポジティブアンサーに変えてみるのも一つの方法です。
「努力や実績に対して具体的な評価が得られる会社を探していました。御社は誠実な評価を下していただける会社だと伺っていたので、応募いたしました!」
このアンサーは、遠回しに前職では納得のいく評価を受けられなかったことをにおわせています。このとおり、この言い回しなら、それほどネガティブなアンサーにはなっていません。
3.転職理由と志望動機は整合性を持たせる
対になっているといっても大げさではない転職理由と志望動機は、整合性を持たせましょう。
転職理由と志望動機が不一致な状態だと、本当に志望しているのかと担当者は疑問に感じてしまいます。「こんな出来事があったので、転職を決意した!」「この企業であればこの点が叶えられると思った!」など、「※※により、この会社を志望しました。」という話の流れを意識して伝えましょう!
4.面接で控えたほうがよい転職理由の答え方
他責
ネガティブな転職理由だった場合、他責は絶対にNGとなります。「上司のパワハラが…。」といった内容も相手に良い印象は与えません。ポジティブな印象を持ってもらえるように言い換えを用いて基本的にマイナスな表現は避けるように。
自分に非はなくとも、他人を下げる発言は印象が非常に悪いです。日常会話と同じと考えれば早いです。
全てを肯定する
反対にあまりにも肯定的なことばかり話すと、きれいごとを並べているように聞こえてしまうこともあります。転職先を決定した根拠を述べる際も、あまり良い点ばかり取り上げると、不審に思われてしまいます。
5.転職理由をまとめる際のコツ
自分の言葉で本音を話しつつ、良い印象を持ってもらうことができるように伝える順番を工夫すること。これが大事です。『転職の面接で聞かれることとは?転職で必要な5選を紹介!』では、転職理由以外の面接でよく聞かれる事項をまとめておりますので、こちらも是非チェックしてみてください。
最後に、面接はあくまでコミュニケーションです。形式上、一方的に試されているような感覚に陥ることもあるかもしれませんが、企業と求職者が対等な立場で、お互いのことを知り合う機会だと心得て下さい!
