転職活動を初めてされる第二新卒にとって、「転職での面接は何が聞かれるの?」と不安な人も多いと思います。
中でも転職面接で必ずといっていいほど聞かれるのが「転職理由」です。「本音で答えていいのかな?」「どう伝えれば面接官に印象がいい転職理由になるかな?」などと悩まれている方もいるのではないでしょうか。
今回は第二新卒の転職面接を控える方に、第二新卒における転職の理由をランキングでご紹介するとともに、どういう回答をしたら面接官に受け入れられやすいかを解説していきます。
どの面接でも使える定番の転職理由を用意されたい方はぜひ最後まで読んでみてください。
第二新卒の転職理由ランキングTOP5と転職理由例文
株式会社学情(本社:東京都中央区・大阪市北区/代表取締役社長:中井清和)が、20代の仕事観や転職意識をひも解くために、実施したアンケート結果をもとに、第二新卒の転職ランキングを紹介していきます。
ランキングの結果は下記のようになっています。
・第1位:もっとやりがい・達成感のある仕事がしたい
・第2位:給与・年収をアップさせたい
・第3位:残業を減らしたい、休日を確保したい
・第4位:希望の勤務地で働きたい
・第5位:より会社の風土や考え方が合う企業で働きたい
あなたの転職理由に近しい内容を確認するとともに、面接官への伝え方を考えてみましょう。
第1位:もっとやりがい・達成感のある仕事がしたい
第1位は、「もっとやりがい・達成感のある仕事がしたい」で、回答者の31.6%が該当しました。第二新卒のなかには、一社目で経験した仕事でやりがいを見いだせず、早めに見切りをつけて転職活動される人が多いという結果になりました。
なお、後述にもあるとおり、この内容で転職理由を話す場合、「やりたい仕事を任せてもらえなかった」というような伝え方では、面接官に受動的な印象を与えてしまうので注意が必要です。
では、具体的な文章例を見ていきましょう。
例文:好感の持てる伝え方
「前職では小売店での店舗販売をしていました。お客様との接客やお客様のニーズに合った商品を説明し受注が決まったときは嬉しかったのですが、商品ラインナップが4種類しかなく、お客様のニーズも限定的でした。
そのため、御社のように、お客様のニーズも扱っている商材も多様な環境で、お客様の潜在ニーズを引き出し、独自の提案をしたいと思っています。」
「前職でのやりがいがまったくなかった、見いだせなかった」と伝えるのは、やりがいを見出す努力や成果を上げる努力をしていないと思われる可能性があるので、できる限り避けましょう。
それよりも、「やりがいを感じることもあったが、今の経験からするにこういう仕事ならもっとやりがいや達成感を得られそう」と伝えることが重要です。
やりがいや達成感のある仕事に勤めることはモチベーションを維持していくためには大切ですが、キャリアアップを目指す場合は転職を行う際に苦戦をしてしまうこともあるため、早めに行動をしていくのがおすすめになります。
第2位:給与・年収をアップさせたい
「給与・年収をアップさせたい」が第2位で、回答者の29.7%が該当しました。会社の待遇面のなかでも給料の不満は世代を問わず根強く、第二新卒でも同様の結果となりました。もちろん、これからキャリアやスキルを積む多くの第二新卒にとって給料の不満はあって当然だとは思います。
しかし、給料面だけを理由に転職をすると伝えてしまうと、さらに条件がいい会社があったらそちらにいくのかと離職リスクとして捉えられてしまうので、伝え方には注意が必要です。
例文:好感の持てる伝え方
「前職では、仕事での成果に対してのインセンティブが弱く、トップの成果を上げる営業と成果を上げていない営業との間での月給の差は1万円しかありませんでした。御社であれば、完全成果主義で1件あたりのインセンティブがあるため、活躍に見合った報酬が得られると考えています。」
給与面での不満だけでなく、仕事での活躍や成果が給与に反映されないなど、自分の仕事に取り組む姿勢や行動などがしっかりと成果に反映されるという面で伝えていきましょう。
余裕があるのであれば、将来はどのくらいの給与・年収を目指しているかを伝えることによって、将来性に対しても意識が向き、向上心があるという印象を与えることが可能です。
第3位:残業を減らしたい、休日を確保したい
第3位は「残業を減らしたい、休日を確保したい」で、24.7%の回答者が該当しました。プライベートや趣味の時間、副業の時間など、本業以外での時間を確保したい第二新卒は多く、このような結果になりました。
この転職理由の伝え方としては、ただ「残業を減らしたい」「休日を確保したい」だと仕事に対する熱意が伝わりにくいため、仕事の自己研鑽に充てるなど面接官にとって好印象を与えやすい伝え方を意識しましょう。
例文:好感の持てる伝え方
「前職は、残業時間が月に70時間を超えることもあり、帰宅が夜10時を過ぎることや土曜日も残業することがざらにありました。私は業務以外でも仕事での成長に繋がるビジネスセミナーや読書、日々の振り返りなどにもっと時間を割いたほうが成長できると考えているので、月平均残業時間が20時間以下の御社を志望しています。」
前職の残業時間や月間休日数について、具体的な数字を伝え、面接官に「それは確かに他の活動は厳しいな」などのイメージを持ってもらいましょう。加えて、就業時間以外で趣味をしたいなど娯楽に関する回答は避け、できる限り仕事での熱意を伝える内容にしましょう。
みなし残業が既に含まれている企業の場合は、残業を嫌々やるという印象を与えてしまうため、事前に面接を行う企業の雇用条件を確認しておくのがおすすめです。
第4位:希望の勤務地で働きたい
第4位は「希望の勤務地で働きたい」で、21.8%の人が回答しました。新卒で入った会社では勤務地の希望を通すことが難しいケースも多く、遠方や住み慣れない土地での生活に不満を抱きやすいです。
ただ、配属への不満を第一理由として伝えることはあまりおすすめできません。というのも、次の会社でも希望の配属先につけるとは限らず、「希望の配属先ではなかったらやめてしまうのでは」と面接官に抱かれるリスクがあります。
例文:好感の持てる伝え方
「前の配属先は最寄り駅から徒歩で40分ほど通勤しなければならず、車等の手段もなかったため、通勤時間だけで毎日2時間以上かかっている状態でした。御社であれば、都心部に支店が多いため、その半分ほどの時間で通うことができ、その時間を仕事や学習に充てることができると考えています。」
勤務地をそのまま転職理由にする場合、ただアクセスがいいなどと伝えると面接官にネガティブな印象を持たれる可能性があります。そのため、アクセスの良さによって生まれた時間で学習や仕事に効果的に充てるなど、仕事への熱意に繋がる回答をしましょう。
5位:より会社の風土や考え方が合う企業で働きたい
「より会社の風土や考え方が合う企業で働きたい」が第5位になり、該当者は20.6%でした。就職活動時点では会社の風土や考え方などを完全に把握することは難しく、また直属の上司やチーム、その相性についても新卒側でコントロールすることは難しいでしょう。
例文:好感の持てる伝え方
「私は営業という仕事で、圧倒的な成長や果敢なチャレンジを求めて前職に就職したのですが、実際は昨年の売上を維持することが目標になってしまっており、会社の成長や市場でのシェアを伸ばすことに積極的な環境ではありませんでした。そのため、今後会社としての大幅成長を掲げている御社で働きたいと考えています。」
会社での風土や考え方を転職の理由に挙げる際には、「それは入社前に把握できなかったのか」「リサーチ不足ではないか」と言われる余地がないか確認しましょう。
もしそのように思われてしまった場合は、「会社に入ってもちゃんとリサーチしてくれないのではないか」と懸念を抱かれる可能性があります。リサーチ能力は仕事に対する意欲ととらえられることが多いので、入念に調査しておきましょう。
適切な転職理由を伝えて面接官に信頼感を与えよう
転職活動において転職の理由で好感を持ってもらうことは面接を通過していくうえで、非常に重要です。『転職のきっかけ15選 年代別一覧』では、年代別の転職のきっかけをまとめていますので、こちらも併せてチェックしてみてください。改めて、今伝えようとしていた転職理由が面接官にネガティブな印象を与えるものになっていないか確認し、面接官に納得してもらえるような転職理由を作りましょう。
第二新卒の場合はまだまだ将来性を含めて採用してもらえる可能性もありますが、意欲があるとより採用率を高めやすいため、信頼感をしっかりと勝ち取っていくようにするのがおすすめです。
