・転職理由の書き方は?
転職活動では、履歴書や職務経歴書等の準備が欠かせません。特に転職理由は、面接官が最も注意を向けている項目であるため、面接時に細かく質問を受ける可能性が考えられます。転職を成功させるには、面接官に良い印象を持ってもらえるように書くことが必要です。
本記事では、これから転職活動を予定している人のために、良い印象を持たれる転職理由の書き方と、注意するべき7つのポイントについて詳しく解説します。
親の介護や結婚・出産が転職のきっかけになった場合

近年では、育児休暇等の充実により、結婚や出産を機に退職する人は減少傾向です。しかし、反対に介護による退職者は増加していくことになるかもしれません。さらに相手の転勤や結婚・出産後の家庭の事情により、退職する場合もあるかもしれません。企業によっては、よいイメージとして判断される可能性は低いでしょう。
介護や結婚・出産がきっかけになった場合の転職理由の書き方としては、すでに仕事と家庭を両立できる環境にあることが大きなポイントです。転勤は無理でも残業は可能であることやフルタイムの勤務にも支障をきたさないことなどを伝えておきましょう。
結婚や出産を機に転職せざるを得なかったことは「物理的にやむを得ない事情があった」という前提で、「新しい環境で一からステップアップが目標」などの率直な気持ちとともに、現在はやる気に溢れ、新しい環境で長く仕事に取り組もうと考えている気持ちを伝えるようにしましょう。
働く環境に不満を感じて転職を決めた場合
転職しようと決めた人の大きな理由のひとつに「働く環境に不満を感じたから」という意見も聞かれます。求人に記載されていたことが、実際に働いてみると「こんなはずじゃなかった」というケースは決して珍しくはありません。
しかし、会社に対しての不満を直接転職の理由として伝えてしまうのはやめた方がいいでしょう。
「自社で採用してもすぐにやめてしまうかもしれない」とマイナスのイメージを持たれてしまうのはあまり良いものではありません。
働く環境や条件に対してのに不満があった場合でも好印象につながる書き方をするには、「残業時間を減らすために行った取り組みやエピソードを伝える」ことや、「どんな実績を残せたのかをアピール」すること、「入社後にどんな活躍をして会社に貢献したいと考えているかを伝えること」などが重要です。
同じ理由でも「残業が多く勤務時間が長かった」と伝えるよりも、「会社の生産性を上げるための業務改革を提案したが認められなかった」など、待遇の改善へ取り組んだものの実現できなかった、などと伝えた方が前向きな印象になります。
転職の理由が人間関係だった場合
人間関係のトラブルは、現代社会において決して珍しいことではありません。実際に人間関係のストレスは、現代においても変わらず大きな転職の理由の一つになっています。上司とのソリが合わなかった、先輩から嫌がらせをされた、同僚との関係が悪化したなど、原因はそれぞれあるものの、人と人との関係性は簡単に崩れてしまうことも多いようです。
上司や先輩・同僚との関係の悪化が原因のストレスは、時代が変わっても無くなることのない課題の一つです。
人間関係が原因で転職を決めた理由である場合は、相手側を一方的に責め立てるのではなく、「スキルの幅を広げられる仕事をしたかったができなかった」「将来性のある仕事をしたかった」など、未来像を感じさせる前向きな理由を伝えるようにしましょう。
仕事に対する意欲が薄れたことが理由の場合
ストレス社会と言われる現代では、働く環境や人間関係や期待していたような評価がされないなど、さまざまな理由で仕事に対する意欲が低下してしまう可能性も考えられます。自律神経が不安定になったり、不眠や食欲不振など、身体や精神に影響が出ることも考えられます。
ただし、モチベーション低下による体調不良などを直接伝えてしまうと、「精神的に不安定になりやすい人なのかも」「体が弱くてすぐ休むことが多いかもしれない」など、ネガティブな要素が強い印象を与えてしまうかもしれません。
仕事に対する意欲が薄れたことが理由で転職を決めた場合の書き方としては、「体調不良だったが、現在は回復している」、「スポーツやアウトドアなどをして健康的な生活を送っている」などをアピールするのがポイントです。さらに、「食生活を見直し、ライフスタイルの改善や趣味を広げることができた」など、明るく前向きなイメージを伝える
他の理由と同様、ネガティブ要素が強いほどポジティブな内容に置き換えて「やる気を感じられる」「健康的でパワーがある」ような書き方をすることが重要です。
転職理由で注意するべき書き方とは

転職についての理由を書くときに注意するべき書き方を理解しておきたいものです。ここでは、好印象なイメージを持ってもらうために必要な注意点について詳しく解説しています。
1.具体的でわかりやすい文章で書く
なぜ転職を決めたのかという理由については、できるだけ具体的で簡潔に書くということを基本にしましょう。どんな文章でも共通するのは、結論から書き出すとポイントを抑えながら理論的に伝えられるかどうかということです。
どんな理由でも前向きにとらえ、新しい環境で働きたいと感じさせる意欲を特に強調するようにしましょう。感情的にならない、自分の感想をダラダラと述べない、なども意識しておくようにしましょう。
2.転職理由と志望動機に矛盾がないように書く
履歴書には、転職理由の他に志望動機を書くスペースが設けられています。転職した理由が体調不良だったが、今は回復したとアピールしたのにもかかわらず、志望動機では「体に負担の少ない職種を選んだ」というように書いてしまうと「まだ完治していないのでは」など、の疑いを持たせてしまいます。矛盾を感じさせない内容で書くことを意識しましょう。

3.嘘は厳禁
転職の理由で嘘を書いてはいけません。面接時の質疑応答で矛盾が生じたり、入社後に気まずい思いをして無駄な説明をするハメになってしまい、後味の悪い結果を残すことにもなりかねません。言いたくない内容は言わなくても大丈夫です。嘘を書くくらいなら初めから伝えない方がいいでしょう。あくまでも書き方を変える、表現の仕方を少し柔らかくするなど前向きな文章を意識しましょう。
4.感情的な文章は書かない
営業職が向いていなかった、業務が大変だった、上司が厳しかったなど、自分の感情をさらけ出して転職の理由とするのはやめましょう。
転職を決めたきっかけは、あくまでも相手に悪いイメージを持たれないようにすることが大切です。ネガティブな要素が強い内容を感情的に書いてしまうと「短気な人」「自分の感情をコントロールできない人」と判断されてしまうかもしれません。
客観的な目で転職についての理由を見つめ直し、前向きな発言で的確に伝えることが重要です。
5.転職の理由はいろいろ書かない
前の職場をやめるきっかけにはいろいろな原因があるのではないでしょうか。一つだけが会社をやめようという理由にはなりえないかもしれません。
しかし、あれもこれもと書くと愚痴や悪口のようにとられてしまうかもしれません。相手に自分をアピールすること自体が難しくなってしまうため、複数の理由を書くことは基本的にNGです。また、相手に良いイメージを持ってもらうには、新しい職場で前向きに働きたいという強い意欲を伝えることがポイントです。「これまでのノウハウや経験を活かし、より活躍の場を広げることが目標」など、自分の強みをアピールしつつ前向きな内容で書くようにしましょう。やる気を感じさせる人材だと判断されるように伝えるのが重要です。
6.働いていた会社の悪口や情報を漏らさない
どんなに前の会社の雰囲気や待遇が悪くても、会社や従業員に対する悪口は絶対にやめましょう。求人側からすれば、「うちの会社も同じように言われるかもしれない」「自社情報を持ち出されるかもしれない」と面接を担当する側からよくないイメージを持たれてしまうかもしれません。また、企業内部や事業そのものの成績など、機密情報に関連することも考えられるので、十分な注意が必要です。
好印象を持たれる転職理由の書き方|まとめ

転職は、人生の大きな転機です。慣れ親しんだ職場を離れ、新しい環境を探して仕事に就くのは、決して簡単ではありません。さまざまなことがきっかけになって転職を決めたからには、絶対に志望先への転職を成功させたいという気持ちも強いのではないでしょうか。
転職理由を考えることは、過去を振り返る貴重な体験になります。また、前向きな文章を書くことで、自分の気持ちもポジティブに考えられるようになります。
書いた転職理由は、友人や家族の前で読み上げて率直な感想をもらうとよいでしょう。転職エージェントサイトなどに登録し、履歴書の書き方や面接のアドバイス等の支援を受けてみるのも一つの方法です。
転職エージェントの活用に関しては、『転職エージェントをつかわないのはアリ?!メリット・デメリットを解説!』にメリット・デメリットをまとめておりますので、こちらもご参照ください。
この記事を読んで、ぜひ転職成功のための参考にして下さい。