MENU

転職で給料が下がる6つのパターン!年代別の減少傾向と併せて解説

転職 給料 下がる

転職活動における懸念事項の一つとして、転職後に給料が下がらないかという点が挙げられます。余程の事情が無い限り、今と同じかそれ以上の金額を貰いたいと考えるのは当然のことです。

とはいえ、検討している企業に対して採用後の給与額を質問できないという人も多いでしょう。本稿では、転職で給料が下がってしまう6つのパターンや、実際に給料が下がった人の割合を含めて解説します。

目次

 転職して給料が下がる6つのパターン

  • 未経験でキャリアチェンジをする
  • 現在よりも下のポジションに就く
  • 給与形態や雇用条件が変化する
  • 定年間近な年齢である
  • 最低限の希望額を伝えてしまった
  • 失業期間中に転職先を探している

転職して給料が下がるパターンとして、上記の6つが挙げられます。それぞれの項目について、詳細を把握しておきましょう。

未経験でキャリアチェンジをする

経験したことのない職種や業種に転職をする場合、給料は下がりやすい傾向にあります。それまで培ったスキルやノウハウの多くが使えなくなるため、企業側としても転職者を新入社員と同じ扱いにせざるを得ないのです。

稀に年齢や前職での収入を考慮してもらえることもありますが、未経験からの転職の場合は基本的に給料は下がると考えておくことが無難でしょう。

ただし、キャリアアップを意識した転職やスカウトを受けての転職では条件によって給料が上がる場合もあります。

現在よりも下のポジションに就く

転職後のポジションが現在よりも下になる場合、給料も比例して下がるケースも少なくありません。とくに前職でリーダーやマネージャーといった役職に就いていた場合、転職によって給料が減少する可能性が高いです。

しかし、前職で役職に就いていたことを考慮されて試用期間が過ぎたらすぐに昇格・昇給してもらえる場合もあります。その場合、数か月我慢すれば元々の金額と同程度に戻せるでしょう。

ただ、注意点として前職に役職が付いていたとしても、試用期間中に実績を残すことができなかった場合は、給料が上がらないケースもあるため、条件に含まれていたとしても油断しないようにしましょう。

給与形態や雇用条件が変化する

転職前と転職後の給与形態や雇用条件が変化することで、給料が下がるケースもあります。たとえば転職前の企業がインセンティブ制度を導入していて、転職後の企業では基本給のみだった場合、給料に成果がプラスされないため金額が下がってしまうでしょう。

もちろん、ボーナスの有無によっても収入額は大きく変わります。また労働時間が短くなったり年間休日が増えたりして、前職よりも業務量が減ったことでその分給料が下がることも少なくないです。

雇用条件や給与形態が嫌になって転職する人も多いため、条件の部分は細心の注意を払いながら転職先を探しましょう。

定年間近な年齢である

転職するタイミングが定年間近な年齢であった場合、企業側は転職者に対して以下の懸念を抱きます。

  • クライアントへの紹介や引継ぎができない
  • 長期間にわたるプロジェクトを任せづらい
  • 年下の先輩社員との軋轢が生まれそう

結果として、前職より低い給料を提示されることもあるでしょう。実際に、厚生労働省による「令和3年雇用動向調査」の結果からも、定年目前での転職における給料の減少が2人に1人の割合で起こっていることが確認できます。

55歳を超えて転職する場合は、給料の減少を覚悟しておくべきです。ただし、転職でも50代以上の場合は採用する人材の人脈やスキルを活かした採用が多く、実際に実績が残せると給料も上昇しやすくなります。

自分自身がどの部分をみられるのかを把握した転職を行うと、給料の減少を避けることも可能です。

最低限の希望額を伝えてしまった

転職時の面接において、転職者が少しでも採用されやすくするために、生活できる最低限の金額を伝えてしまうことがあります。単純に、前職の収入よりも低い金額を希望額として伝えたことで、給料が下がってしまうケースも少なくありません。

そもそも企業側としては、人材採用のリスクやコストをできる限り減らしたいと考えています。実際の働きぶりを見ていない状態で、前職の給料よりも安い金額で雇えるのであれば、それに越したことは無いのです。

そのため、最低限の希望額を聞かれた場合は自分で仕事を行った上で満足できる希望金額を伝えるようにしましょう。自分が納得いく給料であればモチベーションも維持されやすいため、低く言いすぎないこと大切になります。

失業期間中に転職先を探している

失業期間中に転職活動を行うことで、企業から条件面で足元を見られてしまうことも考えられます。転職者本人も余裕がなくなっているため、妥協してしまうケースも少なくないでしょう。

そもそも、職務経歴書に空白の期間ができるのは評価が下がる可能性が高いので避けるべきです。転職後の給料を下げないためにも、とくに事情がない場合は在職中に転職活動をおこなうことをおすすめします。

転職を上手く行っていくためにも、転職に余裕を持たせるために転職エージョントを活用するのがイチ推しです。転職エージョントでは働きながら自分に合った職場探しのサポートを行ってくれます。心に余裕ができるだけでなく、時間に余裕もできるため、ぜひチェックしてみてください。

【年代別】転職して給料が下がる人の割合

続いて、実際に転職によって給料が下がる人の割合や減少傾向を年代別に解説します。ご自身の年齢での転職後における給与状況をチェックしてみましょう。

【20代】給料が下がるのは4人中1人程度の割合

増加変わらない減少
20~24歳47.1%27.0%24.6%
25~29歳42.9%25.0%30.8%

厚生労働省が実施した「令和3年雇用動向調査」によると、20代での転職で給料が下がるのは20~24歳で24.6%、25~29歳で30.8%です。約25%と考えた場合、20代での転職では約4人に1人程度の割合で転職後に給料が下がってしまうと判断できます。

ただ一方で、転職後に給料が増加したという人が全体の約半数を占めているため、転職における給料減少のリスクはそこまで高くないとも考えられるでしょう。早い段階での転職は将来性を加味して採用してもらいやすい上に、まだ役職などが付いていないケースが多いため、あまり変わらないという結果になりやすいです。

では続いて、給料の減少状況ついて確認します。

1割未満の減少1割以上の減少
20~24歳9.1%15.5%
25~29歳10.3%20.5%

転職後に給料が下がった人の内、約60%が1割以上の減少をしていることがわかります。厚生労働省が実施した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、20代の平均賃金は21万3,000円~24万6,200円であるため、金額としては2万円以上の減少です。

20代での転職を機に給料が低下する可能性は1/4、下がった場合は2万円ほどになるかもしれないと考えておきましょう。もちろん転職する先の雇用条件や給料形態によって変わる点を念頭に入れておくことも大切です。

【30代】3人中1人程度の割合で給料が下がる

増加変わらない減少
30~34歳38.4%27.6%32.4%
35~39歳36.8%33.0%29.2%

30代での転職で給料が下がるのは30〜34歳で32.4%、35〜39歳で29.2%ほどです。約30%と考えた場合、約3人に1人程度の割合で転職を機に給料が下がった結果になります。

しかし、給料が変わらない人の割合も30 %ほどであるため、転職を機に給料が必ず下がるというわけではありません。20代での転職と比較すると、給料が下がる可能性が若干高めであるというくらいです。

1割未満の減少1割以上の減少
30~34歳11.0%21.3%
35~39歳9.0%20.2%

30代の転職における給料の減少傾向としては、20代での転職と同じく約60%が1割以上の減少をしているようです。30代の平均賃金が27万5,800円〜30万5,000円であることから、給料が低下する場合の金額は3万円程度だと判断できます。

給料が下がる可能性は1/3、下がった場合の金額は3万円以上になることもあると考えると、30代での転職は20代の頃よりも少しシビアなのかもしれません。

【40代】20代と同程度の割合で給料が下がる

増加変わらない減少
40~44歳41.4%34.2%23.5%
45~49歳35.4%34.5%28.8%

40代での転職で給料が下がるのは40〜44歳で23.5%、45~49歳で28.8%の約25%となるため、給料が下がるのは約4人に1人程度の割合です。転職して給料が下がる割合は、20代での転職とほぼ変わりません。

しかし、20代では転職後に給料が増加する割合が約45%ほどでしたが、40代では後半になるにつれて数値が減少しており、平均値も40%を下回ります。20代の頃と比べると、転職後に給料が上がる可能性はそこまで高くないのかもしれません。

1割未満の減少1割以上の減少
40~44歳8.0%15.5%
45~49歳8.5%20.3%

また、40代での転職における給料の減少傾向を確認したところ、約70%が1割以上の減少をしています。20代・30代よりも若干数値が上がっているため、給料が下がった場合のリスクは高いです。

40代の平均賃金は32万8,000円~34万4,300円であるため、金額としては3万円程度になります。30代の減少傾向と近しいものの、1割以上給料が下がる人の割合が多めなのは気になるところです。

給料が下がる人の割合は1/4で、3万円以上の減少となる可能性が比較的高めだと覚えておきましょう。

転職活動の軸を見失わないようにしよう

転職の動機は人それぞれ異なります。重要なのは、その動機に結びついた転職の軸を見失わないようにすることです。もしも給与面以外の理由で転職を考えているなら、多少給料が下がっても興味のある企業を選ぶべきでしょう。

もちろん、給与面を重視するのであれば給料が下がらない企業を選ぶことをおすすめします。実際に40代までの各年代において給料が下がる人の割合は半分以下であるため、給料を下げずに転職することは十分可能なはずです。『転職の年収交渉はどう伝える?相場や成功するコツをご紹介』では、年収アップに向けたポイントを解説しておりますので、こちらも併せてご参照ください。

また、どうしても次の仕事場で給料が下がる場合は、「就職促進給付」が適用できないか確認しましょう。転職者・再就職者の方を支援するための給付金であるため、転職先で長く働くためにも、活用を検討してみてください。

  • URLをコピーしました!

著者

転職エージェント会社の代表。金融機関で約10年勤務(日本、ヨーロッパ、アジア)の後に起業。得意なターゲット層は20代〜40代の証券、銀行、M&A仲介、マーケターが得意分野。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。宅建士。

目次