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転職したら退職金は減る?損しない退職金の知識

転職 退職金
この記事で解決できる悩み

・退職金制度とは何か?
・転職したら退職金は減るのか?

転職をしたいなど自己都合での退職は退職金支給の対象になるか気になる方が多いのではないでしょうか。
この記事では、転職したら退職金は減るのか?そして損をしない退職金受給について紹介いたします。

目次

退職金制度とは

退職金制度は、一定の期間企業に在籍した従業員へ退職時に支給される金銭のことで「退職一時金(退職時にまとまった金額を支給する)」とも言われています。また、退職金制度は法律でないため支給の条件や金額は企業によって異なります。

厚生労働省が公表している「退職手当制度がある企業の割合【退職金一時金制度】令和元年賃金事情等総合調査」によると、実際に退職一時金支給している企業は全体の91.0%あります。退職金一時金を支給している企業の割合だけを見るとほとんどの企業が退職金支給を行っているように見えます。

退職金支給は条件がある

退職金を支給してもらうためには一定の条件があります。ここからは、退職金の支給条件について紹介いたします。

退職金支給の条件

退職金は、定年退職を迎えて支給される退職金と自己都合で退職した際に支給される退職金で条件が違います。今回は、転職を考えた際の「自己都合による退職」で支給される退職金について解説いたします。

退職金の条件

厚生労働省の退職金に関する要項によると、「退職金制度は必ず設けなければならないものではありませんが、設けたときは、適用される労働者の範囲、退職金の支給要件、額の計算及び支払の方法、支払の時期などを就業規則に記載しなければなりません。」とあるます。
一般的には退職時の勤務年数に応じて、月齢給与の◯ヶ月分という取り決めがあります。

退職金支給対象の勤続年数と退職金額

一般的には、どのくらいの勤続年数で退職一時金が支給されるのでしょうか。厚生労働省が公表している、平成30年就労条件総合調査を一部以下に紹介します。

退職金一時金の受給に必要な最低勤続年数階級別企業数割合(厚生労働省)

退職事由/勤続年数1年未満1年以上2年未満2年以上3年未満3年以上4年未満4年以上5年未満5年以上
会社都合8.521.88.742.21.19.3
自己都合3.215.09.756.21.610.9
「厚生労働省HP」より一部引用

表の通り、転職などの理由による自己都合の退職では、半数近くの企業が3年以上の勤続年数が必要としています。転職を考えた際は、退職金支給対象になるかも視野に入れてみてください。

転職したら退職金が減る?気になる退職金支給時期

転職を理由に退職する場合、退職金は満額支給されないケースが一般的です。上記に記載した通り、自己都合による退職金の金額は勤続年数や退職理由によって変化します。

退職金の金額

退職金支給の条件に当てはまったものの、実際自分自身にどのくらい退職金が入るか気にになる方も多いと思います。
退職金の金額について、厚生労働省が公表している金額を以下に紹介します。

厚生労働省「退職給付(一時金・年金)の支給実態

退職金の支給時期

退職金支給時期について決まりはありませんが、一般的には手続きから支給までに1ヶ月程度の期間を要します。
退職金の支給時期については、下記のような文章の記載がないか1度雇用契約書または就業規制を確認してみて下さい。

厚生労働省ホームページ」より一部引用
※注意!!退職金は、賃金等請求権として労働基準法第115条により請求期間が5年間と決まっています。5年を過ぎると時効となり、退職金の請求が出来ません。

企業型確定拠出年金制度に加入している場合の退職金

企業型確定拠出年金とは、企業が掛け金を拠出し従業員が運用する仕組みの制度です。社員から掛け金を出して積み立てることができるところが、退職金制度と異なる点といえるでしょう。

確定拠出年金のために作った口座は原則として年金支給が終了するまで残ります。就職するときは定年まで勤めるつもりで就職しても、転職を理由に勤めていた企業を退職したときの退職金は、どのようになるのでしょうか。

①企業型確定拠出年金を脱退

脱退一時金が支給され一時金を受け取った場合、確定拠出年金の口座解約・老後の年金給付の権利が消失します。※勤続年数が3年未満の場合、受け取った掛け金の一部もしくは全額を企業へ返金しなければいけないことがあります。

②転職先に企業年金制度・個人型確定拠出年金がある

転職先へ資産を移換する事ができます。移換後は、転職先の制度に従って資産運用を続ける。

③退職金と企業型確定拠出年金同時に受給できる

ほとんどの会社は、転職で退職する際の退職金として企業型確定拠出年金を支給しています。しかし、中には企業の制度により退職金と企業型確定拠出年金一時金を両方受給できますが会社の制度によるので必ず確認が必要です。

退職金以外の手当

企業との契約や会社の事情・退職理由等により退職金が支給されないケースがあります。

転職活動の際、企業を退職後すぐに新しい企業へ就職できるとは限りません。そこで、ハローワークで申請することで受け取ることができる手当を説明します。

基本手当

よく失業保険と言われています。基本手当支給対象者は以下の通りです。

・ハローワークで求職の申し込みなど求職活動をし就職しようとする積極的な意思がある
・就職できる能力があり、ハローワークや本人が求職活動の努力をするが失業状態である
・病気やケガですぐには就職できない
・妊娠・出産・育児を理由に就職ができない
・定年退職して、しばらく休養したいと思っている
・結婚などの事情で家事に専念するため、すぐに就職できない

受給期間と支給額は以下の通りです。


出典:「ハローワークホームページ」より一部引用


出典:「ハローワークホームページ」より一部引用

基本手当の申請の期間は決まっていません。しかし、支給期間が「離職の翌日から1年間」と決まっているので離職し書類がそろったら早めに手続きを行うことをおすすめします。

その他の手当て

基本手当以外にも、転職活動を行う際に役立つ手当てがあります。さまざまな手当があることを知っておくと、より一層転職活動の幅が広がります。

再就職手当 
基本手当受給者で、早期に安定した職業に就職し事業を始めた場合

就業促進定着手当 
再就職手当受給者で再就職手当を受給した再就職に日から同じ企業に6か月以上勤務していること

移転費
ハローワークが紹介した求人に就職するにあたり、求職先が遠方のため転居する際の交通費など支給

広域求職活動費
ハローワークの紹介により、遠方の事業所で面接などを行う際の交通宿泊費の支給

求職活動関係役務利用費
求職活動や教育訓練受講のために、子供を保育サービス利用した場合の保育料一部負担

退職金受給に関する注意点

ここまで退職金の事を細かく記載してきましたが、そもそも退職金制度がない企業も沢山あります。退職金制度というのは法律で決まっているわけではないので、1円も出さなくても違法にはならないからです。

転職する際に、退職金は自分の条件に入っているけど見極める方法がないのかな?と思った人も多いと思うのですが見極め方としては、「退職金制度を設ける場合は就業規則に記載すること」と定められているので記載があるかないかを見極めるのが早いです。

退職金制度があったのに全くもらえなかった?

退職金制度で定められている年数在籍をしていないと支払はされないです。他にも業務中に飲酒運転で交通事故をおこしたなど社会的信頼を失う行為をした場合においても全くもらえない場合があります。

会社が経営が傾いているけど退職金はもらえる?

あまり知られていないのですが、会社の経営が傾いていると退職金を払ってもらえないケースが一定数存在します。その場合は国に相談する方が早く、国の機関の労働基準監督署に相談する事をおススメします。会社が倒産して退職金がもらえない場合であれば、未払賃金立替払制度を使用することが出来るので泣き寝入りがなくなります。

退職前後のお金の不安

退職前後で非常に多いのはお金の不安です。
「退職金はいくら出るのだろうか?」、「収入が減った場合は、毎月の収支はどうなのだろか?」等、悩みは常に多いと思います。

そんな時はお金のプロに相談してみることをおすすめします。
例えば、最近リクルートがCMをしていて話題の、リクルートのFP(ファイナンシャル・プランナー)に相談してみるのも良いかと思います。
FPは金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度などに幅広い知識を備えており、お金の不安や疑問に答えてくれます。また、相談は何度でも無料でできます。

もし関心がある方は下記のボタンから無料相談を申し込んでみてください。

まとめ

転職したときの退職金について損しないための知識について解説しました。
以下にまとめます。

・退職金を受給できるかは企業との雇用契約で異なる
・転職する際の退職金は、満額支給されないケースが多い
・退職金支給対象となる勤続年数は一般的に3年以上
・退職金請求期間は5年間
・退職金以外にハローワークで基本手当を受給できる ※要申請

転職を考えた際、安心して転職活動をするには退職金受給することで求職中や転職前後での経済面で不安が軽減します。また生活が安定することで、自分に合った企業に出会うチャンスも増えるということです。転職する際は退職金の有無や金額を把握し次のステップへ挑戦することをおすすめします。

また、転職活動をすればする程、何を優先したら良いかわからなくなり沼に嵌ってしまうという話はよく聞きます。
その様な際には、一度立ち止まって、改めてキャリアについて再度考えてみるのも一つの手段だと思います。
また、第三者の意見が有効なケースもあるので転職エージェントに相談してみるのも一つだと思います。

例えば、求人数、転職支援実績No.1で国内最大手の転職のリクルートエージェントなどに無料相談をしてみるのは良いかもしれないです。非常に有名な転職エージェントですので、登録をしておいても損は無いと思います。

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著者

転職エージェント会社の代表。金融機関で約10年勤務(日本、ヨーロッパ、アジア)の後に起業。得意なターゲット層は20代〜40代の証券、銀行、M&A仲介、マーケターが得意分野。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)。宅建士。

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