「この仕事を続けていていいのかな」「もっと向いている仕事があるのでは」という漠然とした疑問や不安を持っている方。「転職したいけどどこから手を付ければいいのかわからない」と悩んでいる方。
そんな、現職に疑問を持ったり、転職が頭にちらついたりする方にお勧めしたいのが自己分析です。今回は、自己分析の方法の一つ、転職(適職)診断についてご紹介します。
転職(適職)診断とは
転職(適職)診断とは、自分がどんな仕事に向いているかを診断してくれるツールです。10-30題くらいの簡単な質問に答えると、所要時間数十分ほどで診断結果が出ます。さまざまな転職サイトが診断サイトを運営しており、ほとんどが無料で行えます。
結果を見る際に登録を求められるサイトもありますが、登録なしで簡単に結果を出してくれるサイトも複数あります。10-30分ほどの短時間で手軽に行うことができます。
診断結果の出し方はサイトごとにさまざまですが、内容は二つに大きく分けられます。① 診断からはじき出された性格からおすすめされる適職はなにか。② あなたが転職で優先したい条件はなにか。この二つについて、より詳しく見ていきます。
転職診断で自己分析 注目すべき内容3選
転職(適職)診断は非常に手軽に行えるのが良い点ですが、何に注目して結果を見たらよいかわからなくなってしまいがちです。そこで、診断結果をより深彫りして、行動につなげる方法をお伝えします。
① 向いている職種
転職を考える時、経験のある業種で転職先を探そうと思うかもしれません。しかし、業界を変えることでさらにキャリアの幅が広がったり、より向いている職種が見つかったりするかもしれません。ですから、視野を広げてより多くの業種・職種に目を向けることをお勧めします。診断結果で適性の高い職種が提案されるので参考になります。
② 強み・弱み
転職(適職)診断では、質問回答から割り出される回答者の得意不得意から、仕事における回答者の強み・弱みを教えてくれます。リーダーシップやコミュニケーション能力、チームでの振る舞いも評価に入りますし、個人の計画性や達成度、誠実性も評価してくれます。
転職活動を進めるうえで、自分の強みを知ることは自信になりますし、履歴書や面接での自己PRの参考になります。新たな業種やポジションを検討する際の参考にすることができるでしょう。
また転職をしなかったとしても、自分の強み・弱みを知っていることで、仕事のパフォーマンスをあげることができます。
③ どのような職場に向いているか
自分に向いている環境を分析するのは難しいものです。特に、現在の職場で行き詰ったり物足りなさを感じたりしたことを契機に転職(適職)診断を受けた方は、自分にどんな職場があっているか、一人で言語化するのが難しいのかもしれません。
転職(適職)診断を受けると、中には診断結果で、持ち味を生かす職場や環境の傾向を分析してくれる診断があります。「落ち着いた職場」「達成欲の高い職場」「秩序のある職場」といった情報です。
自分にある環境の大まかな傾向をつかんでいれば、見学や面談で転職先の雰囲気を知った際、比較検討しやすいのではないでしょうか。
転職で優先したいことは何か、診断で知ろう
転職活動において、自分の希望を100%満たす職場を見つけられれば良いですが、そうではないこともあるでしょう。自分が職場に求める条件のうち、必須条件と優先条件を知っておく必要があります。軸を予め定めておくと、いくつか転職先の候補が出てきてもぶれずに済みます。
転職(適職)診断の中には、そういった条件の中から何が回答者の優先事項なのかを明らかにしてくれるものがあります。自分の希望を整理しておいた方がよい項目をご紹介します。
①勤務制限の有無
自宅から通える範囲、保育園や学校の送り迎えの時間など、最も厳しい条件となりがちなのが勤務制限です。しかし、両親やベビーシッターが利用できるかどうか、リモートワークができるかどうかで必ずしも最優先事項としなくてもいいかもしれません。許容範囲や代替手段を事前に整理しておく必要があります。
②年収
年収が転職で上がるかどうかは誰にとっても関心が高いと思います。報酬面で現職に不満がある場合には、なおさらです。どの程度を目指すのか、目安を決めておくのもよいでしょう。
③キャリアアップを求めるか
報酬や福利厚生などよりも、自分の市場価値を上げたり、やりがいを求めたり、新しいことにチャレンジしたりすることが優先される転職もあります。何を求めた転職活動なのか、自分で冷静に分析するのは難しいからこそ、転職(適職)診断がおすすめです。
無料・登録なしで診断できるおすすめサイト2選
社会人歴10年、転職経験のある筆者が実際に転職(適職)診断を体験して、無料・登録なしで手軽に診断でき、診断結果の精度が高いと感じられたおすすめサイトを2つご紹介します。診断だけでも新たな自分を発見できますので、ぜひ訪れてみてください。
キャリアインデックス
39の質問に直感で答えると、「仕事に対する考え方」、「強み」、「思考傾向」に至るまで、分析精度の高い結果が得られます。質問も比較的答えやすく、視覚的にとらえやすいサイトの構成です。答えていくのにストレスを感じません。
結果は円グラフでわかりやすく表示され、自分にある資質と足りない資質を知ることで仕事だけでなく日常生活での課題も発見できます。適職はもちろん、回答者が仕事・職場に求めている項目も分析してくれるので、自分の希望の整理に非常に役に立ちます。
適職診断16〜理想の職業「天職」は?~
36問の質問に答えて性格を診断します。簡易版では12問、より短時間で診断を受けられ、性格に焦点を当てた結果を聞くことが出来ます。
こちらはMBTI診断という性格診断テストをもとにしています。何に興味があるか、物事のとらえ方、他者への接し方を16タイプに分けるものです。この診断結果は非常に納得でき、精度が高く感じました。転職をしなくても役に立ち、楽しめるのではないでしょうか。
適職診断としては、まず向いている職場と職場環境を提示してくれます。「静かで落ち着いた職場」「直接人にサービスを施せる」など10数項目あげられます。
次に適職の業界とその理由、具体的な職業を教えてくれます。
診断サイト以外で転職に役立つ自己分析はできる?
ここまで、簡単に受けられる転職(適職)診断サイトをご紹介しました。しかし、診断サイト以外にも自己分析のツールがあります。転職には自分の強みを分析することが役立つので、その機能のある診断ツールをご紹介します。
ストレングスファインダー
米国のギャラップ社が開発した「ストレングスファインダー」では、人が持つ才能を34に分類しています。そして回答者がそれらの資質をどんな順番で持っているかを教えてくれます。
残念ながらストレングスファインダーは無料で受けることができませんが、以下の方法で受けることができます。①書籍から②公式サイトから③スマホアプリからです。質問がやや難解で答えにくく、質問数も177問と多いので時間がかかります。
出典:https://strengths-labo.com/strengthsfinder/「ストレングスファインダーⓇHP」より一部引用
さらに、資質を知るだけでなく、各項目の意味を理解しなければいけません。英語から訳されているので少し理解しにくい部分がありますし、資質を知ったうえで生かし方を学んでいくことが勧められます。結果は興味深く役立ちますが、労力を要します。
自分の強みと弱みを知ることに特化された診断ツールですので、適職を具体的に示してくれたり職場の条件の整理には使えません。手続きもやや煩雑なのが難点です。
ハローワーク
ハローワークでも4つの適職診断を利用することができます。
①一般職業適性検査 ②職業興味検査 ③職業レディネス・テスト ④キャリアインサイト
です。
これらはハローワークに出向かなければ検査ができず、予約をとることが必要です。総合的な診断が多く、精度は高いと考えられますが、受けるために手間がかかるのが難点と言えます。また、職場の雰囲気についての診断はなく、求める条件を整理できるものでもありません。有料です。
出典:https://www.jaic-college.jp/useful/u-45087/「JAIC HP」より一部引用
転職(適職)診断サイトを活用しよう
転職を考えたとき、自分の強みと希望を知る自己分析が非常に役に立ちます。診断サイトは手軽に精度の高い診断を受けることができ、最初に受ける診断としておすすめです。転職をする際は必ず面接があるので自分の長所や短所だけでなく、人間性の部分を聞かれます。
自己分析がしっかりと出来ていれば簡単に答えがわかるので、まずはおすすめサイトを試してみてはいかがでしょうか。自己分析が完了したら、いよいよ転職活動のスタートです。『転職するにはどうすればいい?転職活動の流れを解説!』を参照いただき、転職活動の流れを確認しておきましょう。
