あなたは今、半導体のエンジニアにジョブチェンジをしようと考えているでしょう。
そして、「自分のような未経験で何もわからない人が転職できるのだろうか」という不安要素もあるでしょう。
ここでは、そのような疑問点を解消するような考察と、半導体エンジニアの業務などについて書き綴っていきます。
あなたの悩みに焦点があたる記事になっていれば幸いです。
未経験で半導体エンジニアになるには
そもそも半導体エンジニアの仕事内容とは
まずは、半導体を扱うエンジニアの仕事内容とは、どのようなものなのかを見ていきましょう。
あなたもご存じのように、半導体はあらゆる産業や電子機器に使用されている、必要不可欠な素材です。
昨今では、需要が供給を上回りすぎて、欠品が発生しているという事例も、多数見受けられました。
具体的な仕事内容としては、半導体の製造工程を計画したり、評価したり、制作のプロセスを見直したり、と半導体に関わるすべてに携わっていきます。
クライアントの要望を聞き、求められる品質と効率的な生産性を両方実現していくことが必要です。
たとえば、システム設計では、半導体をどういう役割で使用するのかという目的を決め、電子回路でどのように目的を実現できるかを考えます。
そして、目的のほかにも、費用をどうするかや、別の機器と連携がうまくいくかどうかなど、さまざまな問題を考慮して仕様を設計していく必要があるのです。
また、仕様書通りに電子回路を作り、正常に動くかも検査していきます。
最後に、レイアウトの設計も担当します。
たとえば、ICチップという限られた範囲内に、作成したパーツをいかにうまくはめ込みかを考えるのです。
このほかにも、将来的にもっと使いやすい、高品質なものを作れるように研究開発をするという仕事もあります。
このように、高い技術力が必要となるので、長期的に働かないと一人前にはならず、実績も作っていけないので、大変な仕事内容であることがわかるでしょう。
半導体エンジニアに必要なスキルとは
高い技術力
まずは、高い技術力が必要になります。
これは、単純に一般的なIT知識だけではなく、半導体の基礎知識やそれをどうやったら応用できるのかという専門的な領域までの理解です。
そして、その技術を磨いて磨いて、他社よりも上のポジションへ行って競争を勝ち抜くことが求められます。
たとえば、「ICチップにある部品を入れ込むにはどうやって配置すればいいか」「クライアントの要望を最大限活かせるシステム設計のベストな方法は何か」などです。
これらを達成するには、日ごろから勉強をすることが必須です。
そして、わからないことや疑問点があれば、すぐにベテランや詳しい人の聞くという行動力も忘れないようにしましょう。
ものづくりが好きという気持ち
続いては、ものづくりが好きという気持ちです。
どこまでいっても、エンジニアとは理系の仕事内容です。
なにかを作り上げて、取引先や世間に評価してもらう、そういったビジネスモデルです。
だからこそ、自分の中の「なにか素晴らしいと思い、思われるものを作りたい」という熱い気持ちが大事です。
その気持ちがあれば、常に上を目指して努力していこうと勉強をすることができます。
そして、そういう向上心のあるあなたの姿を見て、後輩たちがさらに上を目指すことで、日本全体が活性化してエネルギッシュな国になっていきます。
そのような活気のある日本にするために、まずは自分から「ものづくり」を愛する気持ちを行動に移していきましょう。
コミュニケーションスキル
続いては、コミュニケーションスキルです。
「あれ、技術者として働いていくなかで一番縁がないスキルではないか」と思いましたか?
実は、技術者こそ、高いコミュニケーションスキルが必要なのです。
なぜなら、営業職や販売職のように接客をすることは少ないエンジニアは、対人接客の場数が少ないからです。
そして、一般的な世間常識の用語を使って会話をすることが少なく、専門領域についての話をすることが多いので、よりわかりやすく誰にでも伝わる話し方や言い回しで会話をする必要があるからです。
これは、非常に骨の折れる作業です。
普段の仲間内で話すときは、会話の時間を短くしようと、ワードを省略したり、説明を端折ったりしていますが、取引先やはじめましての相手に話すときは、脳内変換でわかりやすい単語に修正してから会話をするという流れになるからです。
ただでさえ、技術力について頭を使っているのにも関わらず、さらに文法や単語や相手の気持ちや場の雰囲気を考えて発言する、という行為は非常に体力を消耗するでしょう。
しかし、仕事は相手がいてはじめて成り立ちます。
あえて厳しい言い方をすると、相手に伝わらなければ、自分のやってきたことの意味が薄れてしまいます。
専門領域について扱っているからこそ、日ごろから相手に伝わりやすい、わかりやすいコミュニケーションを意識していきましょう。
英語スキル
続いては、英語スキルです。
今は取引先や相手が日本人かもしれませんが、将来的にどのような領域に幅を広げていくかはわかりません。
これはすべての業種に当てはまるのですが、海外に進出して仕事をするという可能性もなくはないのです。
まして、エンジニアのような世界的にみて、需要が高い職種はおそらく近い将来、海外で仕事をする機会が増えるでしょう。
そのときに備えて、英語を勉強しておくという選択をとって、損なことはありません。
同期やライバルが日本での活躍を視野に入れているなか、あなただけはもっと先の未来を見つめて、早め早めに英語の知識を身に付けることで付加価値の高い人材になることができます。
TOEICで900点とまではいかなくても、700~800点くらいあれば海外でも通用する英語を使えるはずです。
そのようなことも考慮して、英語スキルを習得していきましょう。
未経験で半導体エンジニアに採用されるのは可能なのか?
あなたは転職で「半導体エンジニア」という職種を見つけて、目を輝かせているところ、下記のような文言を見つけたかもしれません。
それは、「もう経験なしで技術者にジョブチェンジをするのは難しい」というものです。
あなたは、おそらく戸惑ったことでしょう。
ここでは、実際にそのような事実があるのかどうか見ていきましょう。
結論から言います。
未経験で入社したエンジニア自体は、増えています。しかし、多すぎてもう採用しないということはありません。
なぜなら、日本のIT人材は圧倒的に不足しているからです。
IT業界は成長しているので、それだけ多くの求人が掲載されています。
よって、募集人数が増えて、採用される人数も増えることになります。
しかし、まだまだ人手不足は深刻なのです。
経済産業省の資料によると、なんと2030年には今よりももっと、おそらく80万人ものIT人材が不足すると言われています。
100万人に近い人材が不足した場合、どう補填すればよいのでしょうか?
まずは、国内で中途採用を加速させるしかありません。
どんどん採用してどんどん教育し、一人前に育てることです。
それから近い将来、海外からの人材を採用することも視野に入れているはずです。
その場合は、英語ではなく日本語を共用語にしていくため、新たに研修が必要でしょう。
このように技術者の採用は加速しているため、必然的に採用する人数は増えているのです。
だから、エンジニアは増えすぎだという問題が起こるのですが、これは木を見て森を見ずです。
日本全体で見たら、まだまだIT人材は必要なのです。
よって、採用されなくなるなんてことは、まったく考えることはないです。
どんどん応募してこの人材不足の流れに乗って、自分の将来のキャリアビジョンを見据えて行動していきましょう。
半導体エンジニアになるメリット
半導体エンジニアにならないと経験できないスキルが身につく
まずは、スキルや経験が身につくということです。
王道すぎて普通かもしれませんが、その分野でしか得ることができない経験を積めるのが、大きなメリットです。
キャリアというものは、積み重ねていけばいくほどスキルアップしていくし、結果として待遇も良くなります。
だからこそ、転職してキャリアを変えるのは勇気がいります。
なぜなら、一時的に待遇が下がってしまうからです。
しかし、新しいステップを踏み出したら、その場所で大きな目標を達成するために、着実に実績を積み重ねていくことが大事です。
そこでは、半導体エンジニアになったからこそ得られる経験もあるし、出会えなかった人たちもいると思います。
そういったひとつひとつの出会いが、自分の人生を形作っていきますから、純粋な自分の上に仕事を上書きしていって一人前として成長できるでしょう。
ぜひ、自信をもって、「やってよかった」と言えるような仕事をしていきましょう。
実績を積んでベテランエンジニアになると、転職市場で付加価値の高い人材になれる
続いては、未経験で入ってから猛勉強して、仕事で実績を積んだ人向けのメリットです。
たとえば、技術者として仕事をしていて、今いる企業よりも待遇がいい、ほかの企業へ転職したいと考えている人がいたとします。
これは間違いなく、引く手あまたの売り手市場になります。
なぜなら今の日本は、深刻なIT人材不足に陥っているからです。
だからこそ、経験がなくても若者たちをIT業界へ呼び込んできて、教育して一人前に指導しているのです。
ましてや経験のあるベテランの技術者がいるならば、ヘッドハンティングされる勢いで各企業からお声がかかります。
もちろん、待遇も非常に良い条件でしょう。
需要と供給が一致しているのですから、高い報酬をもらえる権利があるのです。
こんな話は夢のようかと考えてしまいがちですが、本当にある話です。
半導体エンジニアとして勉強して活躍していけば、経験者枠の即戦力として、素晴らしい扱いをされながら仕事をしていけるのです。
だから、あなたが今、待遇が悪くなるというリスクを受け入れて、技術者としてキャリアを伸ばしていく決断をすることはとても有意義です。
付加価値が高い仕事をしてスキルアップできるので、非常に良い選択をしているので、今の自分の選択に自信をもってください。
まとめ
いかがでしたか?
半導体エンジニアという職業の仕事内容が理解できたかと思います。
専門的な知識が必要ではありますが、その分世の中に貢献する付加価値の高い仕事ができます。
未経験だからといってあきらめる必要はなく、将来的に自分のスキルを活かしていけるように、今から転職の第一歩を踏み出していきましょう。