システムエンジニアの仕事は、お客さまが必要とするシステムを作り、運用を開始することです。例えば、システムエンジニアは、お客様の要望を聞く「要求分析」、それをまとめる「要件定義」、まとめたものをもとにシステムの大まかな設計を決める「基本設計」、プログラミングのための詳細仕様を決める「詳細設計」、実際にシステムをプログラミングして動作を確認する「テスト」などがあります。
規律と細部へのこだわり、問題解決への適性が求められる、タフで複雑な仕事です。SEは、さまざまな問題の背景にある技術的な原理を熟知し、システム分析の方法論を使って合理的な解決策を導き出すことができなければなりません。さらに、システムの実装を理解し、システム全体の操作性において技術的なコンポーネントが果たす役割を理解する必要があります。
今回は、これらの工程を踏まえ、SEの仕事やなぜSEを辞めたくなるのかなどについて見ていきたいと思います。
SEの仕事について
システムエンジニアの仕事は、お客様が求めるシステムを作り上げ、稼働させることですが、一つのシステムを作る流れの中で、どの工程を担当するかによって、仕事の内容が変わってきます。例えば、システムエンジニアは以下のような工程を担当します。お客様の要望を聞く「要求分析」、それをまとめる「要件定義」、まとめたものをもとにシステムの大まかな設計を決める「基本設計」、プログラミングのための詳細仕様を決める「詳細設計」、実際にプログラミングして動作確認を行う「テスト」。
このように、システムエンジニアの仕事は膨大なプロセスとタスクがあり、複雑さと難しさに事欠きません。特に、他の仕事やプライベートと重なると、大きなフラストレーションとストレスになります。そのため、システムエンジニアの中には、絶え間なく続く複雑で過酷な職務に対処できず、離職率が高くなる人がいても不思議ではありません。
SE の離職率を明らかにするためには、まず、離職を決定する要因を検討する必要があります。これらの要因には、チームや組織に対する不満、完了した仕事に対する過小評価、役職の金銭的価値、ワークライフバランスの組み合わせなどが含まれるかもしれません。
なぜSEを辞めたくなるのか
厚生労働省の調査によると、2016年のIT業界の離職率は10.2%でした。一方、入社率は12.7%でした。入職希望者が多いという現状ですが、なぜ辞める人が多いのでしょうか。IT業界への転職を考えている人の中で、SEは最も多い職種と言われています。
SEを辞めたい人が挙げる理由は以下の通り。「残業が多くて大変」「給与や待遇に不満がある」「納期のプレッシャーに耐えられない」「ずっとパソコンに向かっていることに疲れた」など、さまざまな理由があるようです。また、「SEになったが、やはりWebデザイナーとして働きたい」など、前向きな理由もあります。
しかし、IT業界に残ることを決めた人たちの理由はさまざまです。例えば、56%の人が「仕事が安定しているから」、39%近くが「仕事がもたらすチャレンジが楽しい」、47%が「ワークライフバランス」、36%が「自分の会社で働くことの満足感」などを動機づけ要因として語っており、IT業界に残ることを選択した人が多いです。
IT業界に対する人々の意識に違いはあるものの、転職希望者と残留希望者の両グループに共通しているのは、社会にプラスの影響を与えることが全体的な目標であるということです。IT業界は、離職率が高くても、自分の貢献の重要性を理解し、その努力を結集することで、成長を続けているのです。
SEが転職の際に会社を選ぶポイント
ここからはSEが転職の際に会社を選ぶポイントについて解説していきます。
長い目で見た時に何をしたいのかはっきりさせる
SEを辞めた後、将来どのような仕事をしたいのかを明確にすることは、転職先を選ぶ際の基本です。この点が曖昧だと、自分に合った職種や会社を選ぶことができず、転職活動がスムーズに進まない可能性があります。このことから、次のようないくつかの重要な質問を通して考えることが重要です。
自分が満足するために、仕事が持つべき重要な資質とは何か?自分はより責任のある仕事を探しているのか、それとももっとフレキシブルなスケジュールを希望しているのか。どのようなチームワークを望んでいるのか?これらの質問に対して興味深い回答が得られれば、どのような職場環境が自分のニーズに合っているのかがより明確になり、ひいては求職活動においてより効果的に自分を売り込むことができるようになります。自分がその会社で何をしたいのか、今後どのようにキャリアを積んでいきたいのかが明確であれば、採用担当者にアピールしやすくなります。
自分が求めているものを具体的に示すことで、求めるポジションや将来のキャリアの軌道を具体的に把握している人を求めている採用担当者にアピールすることができるのです。また、自分が憧れている分野の企業をリサーチすることで、自分がどのような仕事に最も適しているか、どのような経験を積めば理想の仕事に必要なスキルや経験が身につくか、さらに情報を得ることができます。全体として、自分が何をしたいのかという明確な目的を持ち、仕事に求める資質を理解することで、仕事探しはより充実したものになります。
自分の経験やスキルを再確認する
転職を自分にとっても採用する企業にとってもプラスになるようにするには、自分の経験やスキルにマッチした職種や企業を選ぶことが大切です。そのためには、あなたがSEとして培ってきた経験やスキルを洗い出し、整理することが必要です。専門資格、リーダー的役割、プロジェクトへの貢献など、他のエンジニアと差別化できるような重要な職務、業績、職業上の経験について考えてみましょう。
また、特定のプログラミング言語、ソフトウェアシステム、デザインパターンについて豊富な経験を持っている場合は、就職活動の際にそれを強調するようにしましょう。さらに、自分がどのような社風の一員になりたいかを理解し、会社の規模、所在地、フレックスタイム制やリモート勤務などの福利厚生を考慮することも有効でしょう。
これらの点を考慮することで、自分の理想の仕事について、十分な情報を得た上で決定することができるはずです。
事前にしっかりと調べた上で会社(職種)を選ぶ
異業種への転職では、「やってみたい」という憧れや、「なんとなく楽しそう」というイメージだけで職種や会社を選ぶのは避けたほうがいいでしょう。職種や企業についてきちんと調べずに転職すると、イメージとのギャップに「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。
賢い決断をするためには、コミットする前に企業研究をすることが大切です。転職エージェントやインターネット、その業界で働いている知人などから情報を得ることです。その会社が自分に合っているかどうかだけでなく、社風や価値観など、重要なポイントも教えてくれるかもしれません。企業の担当者と直接つながりのある転職エージェントは、その企業や業界について生の声を聞くことができます。
場合によっては、インターネットや知人から得る情報よりも価値があるかもしれません。また、一般には公開されていないような求人・求職情報を教えてくれることもあります。ですから、可能な限り時間をかけてでも、転職エージェントにコンタクトを取る価値はあります。
そうすることで、その企業や業界が自分に合っているかどうかを十分に判断し、自信を持って転職活動に臨むことができるのです。
SEの転職先とは?
ここではSEの転職先にどのようなところがあるのかについて解説していきます。
大手SIer
プロジェクトマネジメントのスキルを高めたい方は、上流工程を担当する大手SIerへの転職をおすすめします。大手SIerは求人が少ないため就職は容易ではありませんが、高い年収を期待することができます。SIerビジネスへの転職は、自分の経歴に様々なメリットをもたらします。
SIerビジネスに関するスキル、経験、知識を身につけることができ、企業にとって貴重な戦力となることができます。
社内SE
社内SEの場合は、既存システムの管理・運用が主な業務となります。顧客対応はほとんどなく、タイムスケジュールもそれほど厳しくないため、顧客対応や納期を守るための長時間労働のストレスを改善したい方に向いている仕事です。求人数も比較的多く、業種によっては接客業で培った業界知識を活かせることもあります。
フリーランスのSE
フリーランスになると、顧客を探すのが大変と思われがちですが、案件を紹介しているサイトもあるので、自分のスキル次第では十分に仕事をこなせる可能性があります。この業界は初めてという方は、どのような仕事があるのか、またどのような料金体系になっているのかを調べておくと、現実的な収入につながるでしょう。クライアントから信頼され、多くの案件を受注できれば、高収入が期待でき、将来的にさらにチャンスが広がるでしょう。
Web系のエンジニア
Web系企業とは、FacebookやTwitterなどの「SNS」、GREEやDeNAなどの「ソーシャルゲーム」、Amazonや楽天などの「ECサイト」など、Webサービスを開発・運営する企業を指します。エンジニアとは、これらの企業でシステム開発を担当する人たちのことです。Webエンジニアには高いプログラミングスキルが求められるため、コーディングの経験がある人や、SEとして働いたことがあっても実際にコードをあまり書いたことがない人は、仕事で苦労する可能性があります。なぜなら、システムを最適化するために必要なコーディング言語を知っていることが重要だからです。
そのため、HTML、CSS、JavaScript、PHP、PythonなどのWebエンジニアの基礎知識を応募時だけでなく、仕事上でも身につけておくことが望ましいでしょう。また、アップロード前に設計チェックやデバッグ、入出力操作などをきちんと行い、計画通りに動くようにするなどの開発スキルも重要です。これらのスキルを身につければ、企業の期待に応え、活躍できる可能性があります。自分の能力や経験をじっくりと分析し、この仕事が本当にやりたいことなのかどうかを判断してください。
Webデザイナー
Webデザイナーは、SEとしてのスキルが直接的に関係するわけではありません。しかし、「元々デザインに興味があり、やっぱりやってみたいと思った」などの理由で転職する人も一定数います。特に、ほとんどの企業が自社サイトを持つようになった現在、Webデザイナーは需要が高く、フリーランスとして活躍できるため、魅力的に映るようです。
フリーランスのデザイナーになるということは、どこにいても自分のペースで仕事ができ、なおかつ会社で正社員として働いている人と同じような金銭的なメリットがあるということです。一度に複数のプロジェクトを受け、自分に一番合ったものを選んで、それでも時間内に、素晴らしい品質のプロジェクトを納品することができるのです。
フリーランスのWebデザイナーの仕事は、競争率が低く、他人のアイデアのために自分の創造性を犠牲にする必要がないため、リスクも低く、需要も高いです。さらに、この仕事はやりがいがあり、楽しいものです。あなたの創造性をお金に換えることができ、完成したものをオンラインで見ることができるという満足感もあります。
SEから異業種へ転職を決めるには?(まとめ)
SEから異業種に転職する場合、面接では入社後のビジョンを明確に伝えることが大切です。採用担当者は、あなたがSEとして蓄積してきた知識を、自社でどのように活かせるかを見ています。そのため、これまでの経験や知識をアピールするだけでなく、その経験や知識を活かしてどのように活躍できるかをアピールすることが必要です。
しかし、企業が求めているのは、何よりも人間性です。SEとして培ったコミュニケーション能力、体力、精神力があれば、きっと道は開けるはずです。異業種への転職は難しいと思っている人が多いようですが、実はそうでもありません。
実際、多くの人が転職を成功させ、以前の仕事では味わえなかった新たなやりがいを感じています。新しい業界で働くことで、今までのスキルを生かし、隠れた才能を発見し、真の意味でプロフェッショナルになることができるのです。新しい業界に飛び込み、進化を遂げるには、情熱と決断力、そして粘り強さが必要ですが、これらは多くのSEが持っているものです。
新しいことにチャレンジすることで、今まで以上に仕事に打ち込めるということもあるでしょう。さらに、SEの経験を新しい仕事に生かすと同時に、新しいことを学ぶ機会を受け入れることが重要です。成功の鍵は、自分の知識やスキルを異なる文脈に適用するために、精神的な飛躍をすることができることです。
また、正しい質問を自分に投げかけ、SEの原則と実践を理解することで、これまで経験したことのないキャリアへの扉が開かれることもあります。皆さんも是非本記事を参考に転職を考えてみてはいかがでしょうか。